渋みの正体はタンニンという物質
渋柿を食べたことがあるでしょうか?口にした瞬間口いっぱいに渋みが広がり、舌はしびれ、とても食べられたものではありません。
タンニンは、果肉のタンニン細胞という細胞の液胞の中に存在します。渋柿や未熟な甘柿を食べると、口の中でタンニン細胞が潰れて渋みを感じるという仕組みになっています。
しかしながら、渋柿は甘柿よりも糖度が高いのです。あまりにも強烈な渋みが甘味に勝っているため、渋いと感じるのです。この渋みを抜く「渋抜き」という作業によって、渋い渋柿をとても甘い柿に変えることが出来ます。その方法を紹介しましょう。
お酒に漬けるだけで簡単に渋みが抜ける
上にも書きましたが、渋みとはタンニン細胞が溶けだすことによって感じるものです。ということは、タンニン細胞が溶けないようにすれば、渋みは感じなくなるということです。
そのためにはアルコールを使います。アルコールには、タンニンを不溶性に返る働きがあります。目的の効果を得るためには、アルコール度数の高いお酒を使う必要が有ります。通常、アルコール度数が30~35度くらいの焼酎を使います。
それでは、渋みの原因と除き方が分かったところで、実践編です。まず、収穫した渋柿を箱やビニールに入れ、焼酎を全体にまんべんなくかけます。そしてはこの蓋を閉じ、2週間ほど放置すると渋みが抜けます。
この時の注意点は、ヘタの部分は柿の部位の中でも特に渋みが強いので、焼酎をたっぷりつかることです。渋抜きをした柿は柔らかくなって非常に痛みやすいため、1~2日で食べきれる量だけ付けてください。