消臭効果があるのに実は臭い柿渋!?

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本来の柿渋には独特のにおいがあって、これは多くの人にとって「臭い」と感じるにおいです。柿渋の発酵の段階において、微生物が糖質を取り込んで有機酸が生成される(糖質の資化といいます)からで、酢酸、プロピオン酸、酪酸といった、においを放つ有機酸がその原因です。

発酵というのは腐敗と紙一重で、例えばチーズやヨーグルト、納豆のように、人間にとって食べても害のないものは発酵とされます。しかし、食べられない状態に腐って異臭を放つことを腐敗と呼び、実はどちらも細菌などの微生物によって性質が変化することで、両者の原理は全く同じです。

柿渋の発酵によって生じるにおいがあることで、柿渋が臭いという評価を受けてきましたが、柿渋の最も重要な成分である柿タンニンは、においとは関係がありません。においの元になっている有機酸を取り除いてしまえば、柿タンニンを含むにおいのない柿渋を得ることができ、その多くは無臭柿渋という名前で販売されています。

無臭柿渋の製造には2つの方法があります

1つは発酵の工程において加熱殺菌して酵母を加える方法で、自然にまかせた多様で不安定な発酵に対し、殺菌と酵母の添加によってにおいを放つ有機酸を抑えることができます。

もう1つは、におい成分である有機酸が、柿タンニンよりも分子量が小さいことを利用し、限外ろ過膜という分子レベルでろ過できる膜を使って、におい成分と柿タンニンを分離させる方法です。この方法は、直接においを除去するのと変わりないので無臭に近くなり、濃縮された柿渋を得ることも可能になっています。

無臭柿渋の登場により、従来の用途だけではなく、柿タンニンの持つ高い消臭効果を利用した製品が、市場で多く見られるようになりました。柿タンニンが消臭効果を持っていることは以前から知られていましたが、その製品から異臭がしては商品にならないためです。
また、柿渋が天然素材で作られることも、化学物質を嫌う時代のニーズにマッチしていたといえます。元々はにおいがあって当たり前の柿渋が、逆に消臭に使われるのですから面白いものですね。

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